蝶ケ岳は日帰りで

tozan

2009年09月28日 19:37

町にも秋風が吹くこの頃ですが、高山市街周辺の山々は、まだ紅葉が始りません。
9月下旬に紅葉を見るためには、中部地方なら標高2000m以上にいかなくてはなりません。
しかし今年の紅葉はあまり期待できない様子です。
むしろ、2500m以上の北アルプスの稜線近くが美しく色づいています。
もともと厳しい環境である標高の高い場所では、長梅雨など大したことではなかったのかもしれません・・・。

さて先日から紅葉を求めて各地に出かけています。
シルバーウィーク中は立山、御嶽。昨日は蝶ケ岳へ行っていました。
いずれも日帰り。
蝶ケ岳は北アルプスの一角であるにもかかわらず、燕岳、常念岳などと共に多くの登山者に日帰りの山と認識されています。
もちろん縦走する楽しみもあります。
大天井岳を経て槍ケ岳へと表銀座の稜線を歩き通すのは(未経験なこともあり)憧れるところです。

地元からの登山者は、天気がいい日に思い立って蝶ケ岳などに登りに来ると言っていました。
まさに地元の山。
飛騨にもそうした山はありますが、2500mを越えるとなると気軽に出かけられる山ではありません。
もちろん蝶ケ岳は初心者向けではありません。体力もいり、悪路もあり、服装・装備が不十分では危険も潜んでいます。
それでも北アルプスの稜線に日帰りで出かけてこれるのは大きな魅力です。

地元の日帰り登山者が多いのは、自宅から早めのアプローチができるため。
三股登山口まで整備された林道を使い、自家用車(またはタクシー)で行くことができます。
昨日は日曜日のため、午前6時過ぎに着いた時は、多くの車で駐車場は埋まっていました。

約70台は停められるとのこと。トイレもあります。

ゲートを入り、無舗装の林道をしばらく歩くと、管理小屋が見えてきます。
夏や秋山のシーズン、(平日はどうかわかりませんが)管理小屋には管理人が常駐しています。アプローチが良いためか、駐車場での置き引き被害があり、そのための見回りもしてくれています。

小屋の手前の斜面にペットボトルを利用した水場があります。
ちょっと分りにくいので、水を確保したい場合は見つけてください。
入山手続きをして入山口へと向かいます。

しばらく歩くと蝶ケ岳と常念岳の分岐が現れます。

蝶ケ岳はまっすぐ、常念岳へは右の斜面を登って行きます。

岩の斜面を右に見て谷沿いを進むと、常念岳登山道への迂回路がありますが、常念への道として使われることはあまりなさそうです。(もしかすると手前の分岐とこことの間の谷間にある蝶ケ岳登山道が雨天時に通れなくなった場合に、迂回路として利用されているのかもしれません)
渓流に架かる橋を渡り、樹影の深い斜面をジグザグに登っていきます。

途中にある水場は使用できませんでした(夏以外は枯れるそうです)。
最初の急登を越えると2つの梯子が架かっており、上ると明るい林のなかを登山道は進んでいます。

ふたたび始る急登は主に尾根に沿い、ときどきトラバースする時に木の間から常念岳が見えてきます。
森が少し深くなり、平坦になってきて「まめうち平」に到着。

休憩中の登山者の間で「まめうち平」の名前の由来が話題になりました。
その時は誰も知らなかったので、帰ってから「豆打ち」を調べてみると「豆まき」と同じ意味らしい。
結局なぜ豆打ち(豆まき)なのかは由縁が分りませんでしたが、昔このあたりに豆畑があったのかも?(まさかネ)。知っている人がいたら教えてほしいものです。

まめうち平から最後の急登へ。
展望はほとんどありません。
2200mあたりにある休憩地点から登りの本番になります。
足場が悪い箇所も。ゆっくり慎重に登れば問題はありません。
2500mあたりの最終ベンチではようやく展望が開けてきます。

常念岳が目の前に。天候が下り坂の雰囲気でした。
最終ベンチからは斜面をゆったりトラバース気味に上がって行きます。
ほどなく(距離のわりにはあっけなく)潅木帯を抜けて大滝山分岐に到着。

すると陽に照らされた稜線沿いのナナカマドなどが見事に色づいていました。


思いの外見事な紅葉にうきうきしながらハイマツの間の道を抜けると、そこは蝶ケ岳の稜線でした。10時半到着。約4時間の登りでした(これが平均の所要時間だそうです)。
まっすぐ進めば蝶ケ岳ヒュッテ。

少し雲が架かっていますが、目前には槍ケ岳から穂高連峰、北には燕岳から大天井岳の表銀座、南には霞沢岳が稜線上の向こうに見え、上高地の奥には焼岳が霞んでいました。
蝶ケ岳の頂上は登山道のすぐ上にあるので、まずはここへ。
地元から登ってきたという単独の女の子としばらく談笑し、お腹が空いたのでお昼にしました。
40分ほどのんびりした後、稜線の端に見える蝶槍に向かうことにしました。
ヒュッテ脇を通り、瞑想の丘と呼ばれる小ピークへ。

ここから意外と長い稜線を歩いて蝶槍をめざしました。
東の蝶沢から霧が上がってきました(天気は下り坂)。
稜線下のその斜面は赤、黄、緑のパレットです。

急いでいたため約30分で蝶槍に到着。
こじんまりした槍の穂です。

そのピークには岩が積み重なるようになっていて、どうも人工的に見えます。

えらくシャープな人の顔です。
槍ケ岳とツーショット!
しばらくすると常念岳から縦走してきた人で頂上はいっぱいになりました。

上空に雨雲がかかってきたので、急いでヒュッテに戻りました。
ヒュッテに戻ると、以前いっしょに双六岳へ行ったNさんが休んでいました。
Nさんは山仲間が多い人で、登山をすると知り合いに高い確率で遭遇するという方。
そういえば、1ヶ月ほど前にも会いましたっけ。
下山はずっと話ながらで、楽しくご一緒させていただきました。

もうじき10月です。
そろそろ飛騨の低山でも紅葉が楽しめるようになります。
高山グリーンツアーでは、10月に2つの低山を登ります。
◎川上岳<10月18日(日)>
◎位山<10月25日(日)>
詳しくは高山グリーンツアーのご案内をご覧ください。

関連記事
上高地スノートレッキング 20170218
上高地で下見スノーシュートレッキング
20160805西穂高岳
乗鞍ご来光トレッキング
白草山で出会った花
白草山トレッキング
上高地スノートレッキング 20160221
Share to Facebook To tweet