不景気な一年が終わろうとしています。
仕事納めはまだ先ですが、今年の山歩きはそろそろ終わりにします。
その締めに選んだのは西穂高岳独標。
今年の2月にリハビリをかねて直前のピーク手前まで行ってきた他、夏には高山グリーンツアーでも登りました。・・・その時わたしは荷物番で登りませんでしたが。
この一年で西穂は、ツアーで丸山までが1回(7月のツアー)。独標手前まで2回(上記の2月と8月のツアー)。ピラミッドピークまで1回(5月)。西穂高まで1回(6月)。
5回もお世話になっていました。
締めの今回で6回目の登山です。
◎入山日 12月13日(日)
入山口 新穂高口(新穂高ロープウェイ終点)
新穂高ロープウェイのしらかば平駅の駐車場は冬季閉鎖になっているので、この時期は第1ロープウェイから乗らなくてはなりません。
ロープウェイの有料駐車場の他に登山者用の無料駐車場がありますが、冬季は新穂高バスターミナル下の大駐車場に移っています。
日帰りなので余裕はありませんが、家の事情もあり登山開始は10時半を過ぎていました(ロープウェイ終発に間に合わないと悲惨です、というか命が危ない)。
新穂高口は十分な積雪があり、すっかり冬の景色です。
今後は状況がどんどん変わってしまいますが、13日の時点ではしっかりとした踏み跡があり硬く締まっていました。旧避難小屋を過ぎた辺りからアイゼンを装着。この先からはアイゼンなしでは滑りやすくなっていました。
今週は冬型の天候になるとのことなので、このコンディションも変わってしまうことでしょう。
実は予報通りに下界の天気がどんよりとした曇り空だったので、展望はないだろうとふんでいました。カメラを持っていかなかったのです。
ところが、ロープウェイ終点間近に一気に展望が開け、雲の上に。雲海の上は快晴。冬の澄んだ空気に遠くまで見晴らせました。
今回の写真はすべて携帯のカメラで撮ったものです(そのためアップ画像はなし)。
締まった雪の上を快適に歩き、西穂山荘に到着は11時40分頃。
山荘からの展望もすばらしく、特に雲海に浮かぶ山々が冬独特の強い陽射しに光っていました。
山荘前のテン場には色とりどりのテントが並び、奥の斜面ではどこかの山岳会のレスキュー訓練が行われていました。
ぽかぽか陽気の山荘前でしたが、これから上がる穂高の稜線は様相が一変すると予想されるので、ジャケットをはおりサングラスをかけ、ピッケルも用意します。
いつもは岩をよじ登る丸山への斜面も、雪が積もり登りやすい。
この日の稜線は比較的穏やかでした。でも時々吹いてくる風に、ニット帽で隠しているはずの耳が痛くなりました。状況によっては目だし帽で防備が必要に。
手前の丸山の向こうに独標とピラミッドピークが見えています。
丸山周辺の雪はまだ完全に稜線をおおってはいないので、踏み跡には雪に潰されたハイマツが飛び出て無残です。
丸山を過ぎて急斜面を登りはじめるあたりも、まだ岩が顔を出していました。しかし無雪期に比べれば歩きやすい。
しかし逆に滑りやすく慎重に登る必要があります(本格的な冬には完全に凍ってしまいます)。
急斜面を登りきると岩場に。無雪期はここをトラバースしますが、冬は馬の背状の稜線に上がります。
目の前に独標がそびえています。
登るルートは無雪期と同じです。初冬は岩がまだ氷におおわれていないので、わたしでも何とか登ることが可能でした。
しかしアイゼン装着で岩を登り下りするのは、かなり慎重にならざるを得ません。
本当に冷や冷やでした。
頂上には西穂高岳を往復してきた3人パーティーが休んでいました。アンザイレンとヘルメット装着。この時期は訓練を兼ねて登頂する人が多く訪れるようです。
独標の上は、ふだんゴツゴツした岩場がすっかり雪におおわれ、たくさんの登山者が登ったことを示すように踏み固められています。
前穂高と奥穂高をむすぶ吊り尾根がくっきり見えています。
南アルプスの奥に富士山もしっかり見えていました。
雲海が広がり、午後の陽射しに笠ケ岳から双六岳、西には白山、東の八ヶ岳や遠く浅間山が浮かんでいます。登ってきた白い稜線の向こうには焼岳と乗鞍が続き、その上空は淡いピンク色に染まっていました。
月曜日の今日は午後から高山の上空にも雲が広がり、天気は下り坂へと向かっています。
予報では高山の市街地にも雪が降り、特に2千m以上の山には多くの降雪がありそうです。
13日はロープウェイで上がってきた軽装の人が旧避難小屋を過ぎた登山道を歩いていましたが、天候によってこれからは十分な注意が必要です。
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詳しくは
>高山グリーンツアーのページをご覧ください。