新緑が目にも鮮やかな季節になりました。
飛騨の低山の残雪もほとんど消えて、山歩きには最適な時期を迎えました。
限られた時間の中で登れる低山を選び頂上を目指すこともひとつの楽しみ方。しかし飛騨山脈高峰の頂上までは無理でも、その途中を目的地にすれば飛騨山脈のふところを感じる山歩きが体験できます。
例を挙げれば新穂高を基点に、わさび平経由で鏡平まで。そして今回の白出沢出合から奥穂高岳登山道を笠ケ岳の好展望地まで・・・などです。
このふたつの共通点は最終目的地からの飛騨山脈展望が素晴らしいこと。余裕を持って日帰りできることです。
鏡平の場合は往復約7〜8時間。早朝に歩き始め、昼前には下山するようにします。
7月10日から鏡平山荘が小屋開けするので、名物のラーメンを楽しみに登ると頑張れます。
詳しくは
鏡平山荘往復<2008.7.19入山>
もうひとつは新穂高から右俣林道を穂高平経由で白出沢出合(奥穂高岳登山口)、さらに奥穂高岳への登山道を40分ほど登る山歩きです。
往復約5〜6時間と比較的楽に歩けるコースなので、登山初心者でも安心して楽しめます。
この日は林道歩きを楽しむグループや家族連れに出会いました。
まずは穂高平まで。
ロープウェイ駐車場脇のゲートを入り右俣林道を進みます。
再びゲートのある小鍋谷に架かる橋を渡った後200mほど歩いたら、時間稼ぎとトレッキング気分を味わうため穂高平への近道に入ります。
斜面のトラバースを林道を左下に見ながら進みます。深い樹林の前方が明るくなり、せせらぎの音が聞こえたら穂高平に到着です。
穂高平小屋の後方に蒲田富士。北穂高岳は雲の中。
牧場脇にはニリンソウが咲いていました。
ふたたび新緑の林道を歩いていきます。まだ数少ないですが沿道には花も咲き始めていました。エンレイソウやシロバナエンレイソウも見ることができました。
柳谷の砂防施設のカーブから見た白出沢へ向かう道。
雪形が現われた山は中岳?陽射しに新緑が鮮やか。
白出沢までに林道はいくつもの小さな沢と合流します。
沢にはまだ雪が残り、雪解け水がたっぷりと流れていました。
白出沢の小屋跡に到着。トイレは閉まって使えません。
ここから樹林帯に入り、奥穂高への登山道を30〜40分登ります。
穂高岳山荘へのボッカ道だけあり、よく整備されています。しかし小屋開けしたばかりなので、冬の間に多少荒れたところがそのままです。
コメツガなどの針葉樹林帯が明るくなってくると、左手に白出沢が見えてきます。
ちょうどよい休憩ポイントの一つです。
ここから程なくして、樹林帯を抜け低潅木帯になります。
このあたりの登山道にはまだ雪が残り、折れた木が道をふさいでいました。
ここで突然左手から驚いたような声がしました。
声のした方を見ると、折れ曲がった木々の向こう、5mほどの距離にカモシカがいました。
檻の様な低潅木に守られていると思ったのか、カモシカは逃げることなく木の芽を何度か食むとゆっくり沢の方へ下りて行きました。
熊でなくて良かったと思いながらも、うれしい野生動物とのしばしの遭遇でした。
谷にある低潅木帯を左の尾根に上がると、そこが目的の笠ケ岳の展望地です。
数人が休めるスペースがあり、ここで眺めを楽しみながらコーヒータイム。
思いがけずニリンソウが咲いていました。
花の季節はもうそこまで来ています。
軽食とコーヒーを楽しんでいるうちに雲に隠れていた笠ケ岳が顔を出しました。
笠の右手には小笠も見えています。
杓子平には残雪がまだたっぷりと残っています。
雪が消えるのは7月中旬〜下旬。
この先の穂高岳山荘に向かう道は長くて厳しい登りとなり、今の時期はまだアイゼンやピッケルが必要となります。しかし今回はここまで。帰りは来たコースを戻ります。天候に恵まれれば奥穂を眺めながらの山歩き。短時間の日帰りとしては最適なコースです。
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西穂高丸山<6月28日(月)入山>
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