2009年05月03日

新緑の荒島岳

飛騨地方の山はまだ新緑とは言えませんが、郡上市白鳥町から福井県へ向かう山々は若葉が輝いていました。
日本百名山のひとつ荒島岳の登山最適期は5月とのこと。まだ始ったばかりの5月ですが、いくつかの花に出会うこともできました。
そしてやはりブナ林が新緑の季節を迎え、今年初めての雪のない登山道歩きとなりました。

荒島岳<福井県大野市>入山日5月2日(土)晴れ
◎標高1523m(入山口:カドハラスキー場350m、標高差:1173m)
◎歩行距離と時間 約9km(往復)、行き:2時間44分、帰り:2時間25分
◎行程 勝原(かどはら)スキー場<8:10>〜登山口<8:45>〜白山展望台<9:23>〜シャクナゲ平<10:05>〜中荒島岳<10:54>〜荒島岳<11:30>〜下山<12:25>〜シャクナゲ平<13:30>〜スキー場<14:50>

ゴールデンウィーク後半に入り、初日の土曜日。天候は快晴。次の日からは曇るという予報もあり、連休の登山最適日でした。
高山市から車で中部縦貫道から東海北陸道へ。白鳥インターからふたたび中部縦貫道(国道158号線に合流)を福井方面へ向かいました。
やがて九頭竜湖の沿岸を走り、大野市和泉町を抜けて今度は九頭竜川沿いを勝原まで。
勝原スキー場の入口はカーブを曲がったところにあり、あっと思った時には通り過ぎていました。すぐにUターンして駐車場へ。すでに第1駐車場は満車。さすが日本百名山の山。ナンバープレートを見ると日本各地から訪れていることが分りました。

入山届を済まし、小さなスキー場のゲレンデを登り始めます。
まっすぐ登り、リフトの終点を右に。
新緑の荒島岳
かなりの急な坂。登りより下りが辛そうです。
この坂もかつてはゲレンデの一部だったようです。坂道の後のゴーロの斜面を登った先に、かつてのリフトの残がいがありました。

そしてここからが登山口。ブナの林の中を歩いていきます。
若葉が開いたばかりのブナがきらきらと輝き、新緑の季節が来たことを実感します。
やがて幹にコブ付きのブナが現れました。なかにはお面のようなコブが張り付いた幹もありました。
そしてその内の一つは「トトロの木」と呼ばれているそうです。個人的には映画ロードオブザリングに出てくるカシの妖精に見えました。
新緑の荒島岳
想像するに、一度は幹が折れたものの再度復活したブナではないか(上部の幹が細いのはそのせい?)。
太い幹にもう一つの幹が合体しているところにも(若いエキスをもらった?ための)復活の要因がありそうです。

何度か急登が続きます。
新緑の荒島岳
今年初めてと言ってよい雪面歩きのない登山は、ちょっと足にこたえました。ストッキングが薄手だったことも影響ありました。中荒島に登り着いた頃には大腿四頭筋に痛みが。
皆さんも気をつけましょう(わたしだけ?・・・)。

話が前後しましたが、シャクナゲ平直下の林の間に荒島岳が見えてきました。
新緑の荒島岳
すでに登り終えて下りてきた人が2名。暗いうちに入山してもかなりのハイペース。
その後は、もちが壁と呼ばれる岩場まで下山者に会いませんでした。

長い急登をへてたどりついたシャクナゲ平。ここは荒島岳の3つの登山コースの合流点です。
したがって下山時には方向を間違えないように標識を確認しなくては。下山の際に、登り慣れているとおぼしき男性が携帯をかけながら中出コースの登山道へ。後でその男性が勝原コースを下りるわたしを追い越していきました。油断は禁物。
新緑の荒島岳
狭い広場には日影になるものがなく、早々に先へ。

いったん下り、今度はもちが壁に取りつきます。
新緑の荒島岳
このあたりで大腿四頭筋の内側に引きつるような痛みが。
こんなときはアミノ酸頼りです。飲んでしばらくすると痛みが消えました。
無理をすると元の木阿弥なので、だましだましゆっくり歩きました。

中荒島に到着。荒島岳が目の前に見えてきました。
新緑の荒島岳
ここからの尾根歩きは白山の展望もすばらしい。直下の尾根が中荒島です。
新緑の荒島岳

最後の急登を登り終えた時には、もうバテる寸前でした。
そしてようやく荒島岳頂上。
新緑の荒島岳
以前まであった祠は潰れてしまったそうです。地面に地蔵が並んで置いてありました。
南西方向の展望もよく、高い山がないため冬にはかなり遠望できるそうです。
新緑の荒島岳
多分遠くに見えているのは、方向的には能郷白山(間違っているかもしれません)。
しばらく休息の後、帰途につきました。
午後1時過ぎでも荒島岳へ向かう登山者に遭遇。シャクナゲ平のあたりではかなりバテた様子の男性グループも。標高が低いといっても、標高差は1200m近く、歩行距離は約9km。侮ってはいけません。

登山道で見つけた野草もいくつかは花を付けていました。
新緑の荒島岳
薄いピンクの花を持つイワウチワ。葉の形が団扇に似ています。
新緑の荒島岳
菊に似ているキクザイチゲ。キンポウゲ科イチリンソウ属。実は花に見えるのは萼片。
他にもショウジョウバカマなどが咲いていました。

奥美濃や福井県南部には夏道がもう現れていますが、同じ標高の飛騨の低山にはまだ雪が残っています。若葉が見られるのもまだこれから。
高山グリーンツアーでは今月末、新緑が美しくなるころに飛騨の山歩きを行います。
まずは5月31日(日)入山の「飛騨乗鞍高原・御嶽、北アルプス・乗鞍の展望歩き」。
さらに6月7日(日)には飛騨山脈を目の前に展望する「福地山・残雪の飛騨山脈展望」登山を実施します。
詳しくは「ベテランと山岳ガイドと行く登山・山歩きツアー」のホームページをご覧ください。

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この記事へのコメント
初めまして。
連休中に荒島岳に登りたいと考えてますが、勝原からのコースの残雪はどの程度でしょうか?アイゼンなくても問題なさそうですか?

いきなりの質問で恐縮ですが、ご教示いただければ幸いです。
Posted by にし at 2009年05月03日 23:23
にし様、お早うございます。
ご質問にお答えします。
勝原コースの登山道に頂上まで積雪はなく、アイゼンは必要ありません。
しかし、ところどころ雪解けでぬかるんでいる所があります。
無雪期登山の装備でまったく問題ありません。

私自身はじめての荒島岳でしたが、急登が続きなかなか大変でした。ブナ林から岩場、中荒島からの尾根歩きの展望など、変化に富んで楽しい登山でした。
Posted by tozan at 2009年05月04日 10:18
ご回答いただきありがとうございます。参考になりました。
6日に登りたいと思ってますが、なんとか天気が良くなって欲しいと思っています。
Posted by にし at 2009年05月04日 23:40
にし様
今のところ気象庁の予報では明日の福井県南部は雨が降るようですね。
もし雨が降るようでしたら、登山道下部では落ち葉が濡れて滑りやすいことと、シャクナゲ平から頂上まではぬかるみやはしごなどが滑りやすくなっていることにお気をつけください。
白鳥方面に帰られるなら、国道158号線沿いに平成の湯があります。有馬温泉と似た泉質だそうです。
Posted by tozan at 2009年05月05日 09:38
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