2009年07月01日
銚子ヶ峰〜高山市の山でもある
高山市荘川町と郡上市白鳥町石徹白の境界線上にある銚子ヶ峰。
登山口が石徹白にあるためか、高山市の山でもあるという気がしません。
一般にも南飛騨の山というより奥美濃の山と認識されているのではないでしょうか。
そのため、当登山ツアーの候補リストに挙げていません。
白山禅定道の途中にある銚子ヶ峰からは、白山は見ることができません。
別山の大きな山塊が隠しているのです。
試しに銚子ヶ峰の先にある二ノ峰まで足を伸ばしてみましたが、やはり白山はその姿を垣間見ることさえできませんでした。
確信はありませんが、白山詣でをする信者にとってなかなか見えない白山が、別山に来てようやく見ることができるように、わざと演出されている気がしてなりません。
現在のようにアプローチが容易ではなかった頃、苦しくて長い道行きは修業であり、そのご褒美のような白山展望は信者にとって言葉にできないほどの感動だったことでしょう。

銚子ヶ峰の尾根に咲くタニウツギと別山
銚子ヶ峰<標高1810.4m>〜二ノ峰<標高1962.3m>
入山日 6月27日(土)
石徹白登山口<8:20>〜石徹白大杉<8:27>〜おたけり坂<9:15>〜神鳩ノ宮避難小屋<9:42>休憩〜銚子ヶ峰<10:30>〜一ノ峰<11:18>〜二ノ峰<11:53>〜水呑釈迦堂跡<11:56>昼食〜下山<12:30>〜銚子ヶ峰<13:50>〜登山口<15:40>
高山市から中部縦貫道に入り、東海北陸道で高鷲ICまで。国道156線を南下、県道314号線を石徹白に向かいます。
白山中居神社の裏を流れる石徹白川に沿って林道を奥へ進みます。林道は舗装されており、注意が必要なのは対向車と道路脇に落ちている岩石です。
登山口には広い駐車場があり、水場とトイレが完備されています。すでに駐車場には県内外からの車が10台以上停っていました。

石段から始り、これは石徹白の大杉まで続いています。
樹齢1800年とのこと。ちょっとしたビルのような大きさです。

この先からは通常の登山道。歴史があるため比較的歩きやすい道でした。
途中「おたけり坂」と呼ばれる急登があります。

石川県白山自然保護センターが出している「白山の自然誌21 白山の禅定道」によると、女人禁制だった白山に泰澄大師とともに入山した大師の母が結界を越えたため、神の怒りに触れた場所とのことです。
「おたける(お哮る・お猛る)」とは神による試練を指しているのでしょうか(あるいは大師と母親が試練を受けて叫んだということか?)。
坂の途中の「雨宿りの岩屋」は血の雨、槍の雨をしのいだ場所とのことです。不思議な名前に込められたエピソードは、さすが歴史のある登山道です。
おたけり坂を過ぎると尾根道は緩やかになりました。
登山道にはアカモノの群落が続いています。

その中にさまざまな高山植物が花を咲かせており、登山道はまるで花道の様相。
さすが白山につながる登山道です。
銚子ヶ峰を左手に見て歩いていくと、尾根上に神鳩ノ宮避難小屋が現れます。

トイレやその他の設備も整っていました。
さらにU字型の尾根を登り、銚子ヶ峰への登り口へ。
唐突に現れる母御石。銚子ヶ峰頂上の先にも同様な岩があり、その上に立つとなかなかいい気分でした。

ここを登りきれば銚子ヶ峰山頂が目の前に見えてきます。

右手には別山が見えています。
笹原を抜けて坂を越えれば頂上でした。

銚子ヶ峰から白山禅定道は一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰と続き、別山を越えて白山室堂へ向かっています。
早朝に入山した登山者は、日帰りで三ノ峰まで往復するようです。
今回のわたしの入山時間は遅くもなく、かといって三ノ峰までは早くもなく。
12時をめどに、進めるところまで歩くことにしました。

手前の尾根が銚子ヶ峰の一部。その先の山が手前から一ノ峰、二ノ峰、頂上付近に雪渓の残る三ノ峰。そして奥の大きな山塊が別山です。
銚子ヶ峰の尾根を下る道が荒れていました。下る際は要注意。
一ノ峰の登りはかなり大変です。急なうえに、長い。どうせ二ノ峰へはまた下るのだから、トラバース道にした方が楽なのにと思えます(展望も変わらないし・・・)。
しかし修業の道ですから、そうはいかないのかも。

あまり感動しなかった一ノ峰の頂上。
二ノ峰も同様にいったん一ノ峰を下り再度登り返します。
二ノ峰の頂上は登山道の上の薮の中。標識は道の上にあります。

ここで12時になりました。
二ノ峰のトップでは休憩ができないので先に少し進みました。
尾根を進むと「水呑釈迦堂跡」があり、ここで昼食となりました。

小さな広場にはミヤマキンバイが咲いていました。
標識の右手に笹の斜面があり、下る道が付いています。確認はしませんでしたが、話によるとその先には水場があるとのことです。
もし展望を期待するなら、泊まりで出かけると素晴らしい白山詣で山行が体験できる気がしました。・・・日帰りで別山往復は、わたしにはかなり大変です、というか無理です。
最後に出会えた花をご紹介。

なかなか立派に咲いたマイヅルソウ

ツマトリソウはたくさん咲いていました。

群落もあったハクサンチドリ

この一片しか見なかったハクサンフウロ

一ノ峰山頂で見たドウダンツツジ
さすが花の山「白山」に続く登山道です。
白山は高山植物の宝庫。本家の見ごろは7月下旬です。
登山口が石徹白にあるためか、高山市の山でもあるという気がしません。
一般にも南飛騨の山というより奥美濃の山と認識されているのではないでしょうか。
そのため、当登山ツアーの候補リストに挙げていません。
白山禅定道の途中にある銚子ヶ峰からは、白山は見ることができません。
別山の大きな山塊が隠しているのです。
試しに銚子ヶ峰の先にある二ノ峰まで足を伸ばしてみましたが、やはり白山はその姿を垣間見ることさえできませんでした。
確信はありませんが、白山詣でをする信者にとってなかなか見えない白山が、別山に来てようやく見ることができるように、わざと演出されている気がしてなりません。
現在のようにアプローチが容易ではなかった頃、苦しくて長い道行きは修業であり、そのご褒美のような白山展望は信者にとって言葉にできないほどの感動だったことでしょう。

銚子ヶ峰の尾根に咲くタニウツギと別山
銚子ヶ峰<標高1810.4m>〜二ノ峰<標高1962.3m>
入山日 6月27日(土)
石徹白登山口<8:20>〜石徹白大杉<8:27>〜おたけり坂<9:15>〜神鳩ノ宮避難小屋<9:42>休憩〜銚子ヶ峰<10:30>〜一ノ峰<11:18>〜二ノ峰<11:53>〜水呑釈迦堂跡<11:56>昼食〜下山<12:30>〜銚子ヶ峰<13:50>〜登山口<15:40>
高山市から中部縦貫道に入り、東海北陸道で高鷲ICまで。国道156線を南下、県道314号線を石徹白に向かいます。
白山中居神社の裏を流れる石徹白川に沿って林道を奥へ進みます。林道は舗装されており、注意が必要なのは対向車と道路脇に落ちている岩石です。
登山口には広い駐車場があり、水場とトイレが完備されています。すでに駐車場には県内外からの車が10台以上停っていました。

石段から始り、これは石徹白の大杉まで続いています。
樹齢1800年とのこと。ちょっとしたビルのような大きさです。

この先からは通常の登山道。歴史があるため比較的歩きやすい道でした。
途中「おたけり坂」と呼ばれる急登があります。

石川県白山自然保護センターが出している「白山の自然誌21 白山の禅定道」によると、女人禁制だった白山に泰澄大師とともに入山した大師の母が結界を越えたため、神の怒りに触れた場所とのことです。
「おたける(お哮る・お猛る)」とは神による試練を指しているのでしょうか(あるいは大師と母親が試練を受けて叫んだということか?)。
坂の途中の「雨宿りの岩屋」は血の雨、槍の雨をしのいだ場所とのことです。不思議な名前に込められたエピソードは、さすが歴史のある登山道です。
おたけり坂を過ぎると尾根道は緩やかになりました。
登山道にはアカモノの群落が続いています。

その中にさまざまな高山植物が花を咲かせており、登山道はまるで花道の様相。
さすが白山につながる登山道です。
銚子ヶ峰を左手に見て歩いていくと、尾根上に神鳩ノ宮避難小屋が現れます。

トイレやその他の設備も整っていました。
さらにU字型の尾根を登り、銚子ヶ峰への登り口へ。
唐突に現れる母御石。銚子ヶ峰頂上の先にも同様な岩があり、その上に立つとなかなかいい気分でした。

ここを登りきれば銚子ヶ峰山頂が目の前に見えてきます。

右手には別山が見えています。
笹原を抜けて坂を越えれば頂上でした。

銚子ヶ峰から白山禅定道は一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰と続き、別山を越えて白山室堂へ向かっています。
早朝に入山した登山者は、日帰りで三ノ峰まで往復するようです。
今回のわたしの入山時間は遅くもなく、かといって三ノ峰までは早くもなく。
12時をめどに、進めるところまで歩くことにしました。

手前の尾根が銚子ヶ峰の一部。その先の山が手前から一ノ峰、二ノ峰、頂上付近に雪渓の残る三ノ峰。そして奥の大きな山塊が別山です。
銚子ヶ峰の尾根を下る道が荒れていました。下る際は要注意。
一ノ峰の登りはかなり大変です。急なうえに、長い。どうせ二ノ峰へはまた下るのだから、トラバース道にした方が楽なのにと思えます(展望も変わらないし・・・)。
しかし修業の道ですから、そうはいかないのかも。

あまり感動しなかった一ノ峰の頂上。
二ノ峰も同様にいったん一ノ峰を下り再度登り返します。
二ノ峰の頂上は登山道の上の薮の中。標識は道の上にあります。

ここで12時になりました。
二ノ峰のトップでは休憩ができないので先に少し進みました。
尾根を進むと「水呑釈迦堂跡」があり、ここで昼食となりました。

小さな広場にはミヤマキンバイが咲いていました。
標識の右手に笹の斜面があり、下る道が付いています。確認はしませんでしたが、話によるとその先には水場があるとのことです。
もし展望を期待するなら、泊まりで出かけると素晴らしい白山詣で山行が体験できる気がしました。・・・日帰りで別山往復は、わたしにはかなり大変です、というか無理です。
最後に出会えた花をご紹介。

なかなか立派に咲いたマイヅルソウ

ツマトリソウはたくさん咲いていました。

群落もあったハクサンチドリ

この一片しか見なかったハクサンフウロ

一ノ峰山頂で見たドウダンツツジ
さすが花の山「白山」に続く登山道です。
白山は高山植物の宝庫。本家の見ごろは7月下旬です。
Posted by tozan at 20:32│Comments(0)
│登山レポート