2010年04月11日
低山バンザイ!〜残雪の猪臥山
昨日は全国的に晴れとなり、春の山を登る人も多かったようです。
低山でも飛騨北中部にある山は、1500m付近にまだ雪が残り、しばらくは春山が楽しめます。
今回登ったのは「猪臥山(いぶしやま・いのぶせやま他いろいろ)」。高山市清見町と飛騨市古川町の境界線上にある山です。
古川側からは林道が頂上直下まであり、春スキーに訪れる人が多いコース。
いっぽう、清見町側は彦谷の大規模林道「卯の花街道」に登山口があり、長い尾根歩きを経て頂上へ。下山はU字の稜線続きの道を下る歩きがいのあるコースです。
彦谷一帯は人工林と自然林が混在する美しい森。「源流の森づくり」という活動を早くから実践してきました。そのため彦谷からの猪臥山登山は、森の風景が先へ進むにつれ変化し飽きることがありません。
花の季節はまだ先ですが、天候の良い日に登れば今だ多くの雪をたたえた山々の展望が登山者を迎えてくれます。
登山口は猪臥山トンネルの手前の空き地にあります。
すでに3台の車が停っていました。
念のため軽アイゼンとピッケルを用意しましたが、スノーシューは持ちませんでした。(結局アイゼンは不使用。頂上付近の不安定な稜線でピッケル使用)
10時20分入山。当初の予定より50分ほど遅れてしまいました。
残雪期は全行程6時間ほどが個人的には丁度良いペースだと思いますが、無雪期には休憩込みで5時間を目安にしています。しかし今回は入山が遅れたので、5分休憩2回、昼食20分とし、約5時間で残雪期の全行程を終えました。
入山してしばらくは雪の消えた広葉樹林帯を進みます。
斜面をジグザグに上がり尾根の末端にたどりつけば、後はずっと尾根を歩き続けます。

小さなピークのアップダウンを繰り返し、右手に目指す猪臥山が見えてくると急登の続くカラマツの尾根歩きになります。
左手の樹林の間に白山が見えてくるあたりから尾根に残雪が現れました。

雪の厚みはさほどなく硬く締まっていましたが、今後は雪解けが進み歩きにくくなるかもしれません。
長く感じる尾根登り。猪臥山から続く稜線に乗越すまで続きます。
前方に見覚えのある岩が見えたところで、稜線に乗越すまであとわずかです。

ここからはカラマツの広い稜線歩き。もちろん雪で登山道は見えません。
ポイントは稜線を外れないことです。前方には裸木の間に猪臥山に続く山が見えています。

広い尾根が細くなり、隣のピークとの鞍部に下り登り返すとコース唯一の杉林となります。

林を抜けるとさらに登りが続きますが、今度は笹の斜面となります。これまでとは違い、木々の密度が下がり展望がよくなります。右手には猪臥山の鉄塔と御嶽が見えていました。
雪に隠れた笹の斜面は時折り踏み抜いてしまいます。夏道は右寄りにあるはずなので、なるべく右側を歩くようにしました。時々雪のない夏道が現れるので確認できます。
登り着いたところが、猪臥山の主稜線。

マムシ注意の標識がなつかしい。
稜線にはたっぷりと雪が残っていました。細い稜線の上に残雪が乗っかっていました。びびるほど危険ではありませんが、雪が崩れて落ちないように気をつけます。
ここからは気持ちの良い展望を楽しみながら歩いていきます。

目指す猪臥山のピーク。その下の笹の斜面の向こうに穂高連峰が現れました。
12時37分、猪臥山頂上到着。

白山は雲に隠れていましたが、とにかく360度の大展望。

穂高連峰から続く飛騨山脈。

猪臥山の祠の向こうに見えるのは乗鞍連峰。
飛騨の東西の県境の山々がすべて見えました。
13時、下山開始。
猪臥山トンネルの上をまたぐ稜線はアップダウンがきつく、特に下りは要注意。
頂上直下の駐車場のさらに下から林道がこの急斜面下の鞍部まで延びているので、もし不安ならこちらを歩くこともできます。
鞍部から今度は急斜面の登り。振り返れば猪臥山頂上が。

U字のコースの下山路は登りとは逆方向に歩いていきます。
しばらくカラマツ林の尾根をアップダウンを繰り返し、巨大鉄塔の立つ広場に到着。

雪に埋もれた林道を10分ほど下ると、背の高いガードレールのつなぎ目が彦谷へ下る登山路への入口になっています。林道をそのまま下ると、まったく別の場所へ行ってしまいます。

ガードレールを抜けるといったん小ピークを一つ越えて、その後は下るだけです。
私の前に入山した人が間違えて右手のピークに向かったために、そちらに踏み跡が付いてしまったので釣られて行かないようにご注意。谷の左側に下る登山道があります。
途中でカモシカの新しい足跡が下山路に沿って付いていました。

この山域はカモシカに遭遇したという話をよく聞く場所です。
原生林の雰囲気を楽しみながら尾根を下っていき、やがて展望がなくなり細尾根で写真のような幹が現われたら登山路は左に下って終了です。

尾根から下りたところは廃道の終点。

逆回りの登山路の入山口です。
あとは廃道を10分弱歩いて林道分岐、ゲート脇を抜ければ大規模林道「卯の花街道」。
トンネルの方へ数分歩いて、15時20分に入山口に着きました。
ほぼ5時間で一回りした山歩きでした。
余裕のある山行なら、やはり6時間はかけて歩きたいところです。
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締切り間近!福地山トレッキングツアー<4月21日(水)入山>の参加者を募集しています。
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◎ネット予約
◎電話:0577-33-5000(代)
低山でも飛騨北中部にある山は、1500m付近にまだ雪が残り、しばらくは春山が楽しめます。
今回登ったのは「猪臥山(いぶしやま・いのぶせやま他いろいろ)」。高山市清見町と飛騨市古川町の境界線上にある山です。
古川側からは林道が頂上直下まであり、春スキーに訪れる人が多いコース。
いっぽう、清見町側は彦谷の大規模林道「卯の花街道」に登山口があり、長い尾根歩きを経て頂上へ。下山はU字の稜線続きの道を下る歩きがいのあるコースです。
彦谷一帯は人工林と自然林が混在する美しい森。「源流の森づくり」という活動を早くから実践してきました。そのため彦谷からの猪臥山登山は、森の風景が先へ進むにつれ変化し飽きることがありません。
花の季節はまだ先ですが、天候の良い日に登れば今だ多くの雪をたたえた山々の展望が登山者を迎えてくれます。
登山口は猪臥山トンネルの手前の空き地にあります。
すでに3台の車が停っていました。
念のため軽アイゼンとピッケルを用意しましたが、スノーシューは持ちませんでした。(結局アイゼンは不使用。頂上付近の不安定な稜線でピッケル使用)
10時20分入山。当初の予定より50分ほど遅れてしまいました。
残雪期は全行程6時間ほどが個人的には丁度良いペースだと思いますが、無雪期には休憩込みで5時間を目安にしています。しかし今回は入山が遅れたので、5分休憩2回、昼食20分とし、約5時間で残雪期の全行程を終えました。
入山してしばらくは雪の消えた広葉樹林帯を進みます。
斜面をジグザグに上がり尾根の末端にたどりつけば、後はずっと尾根を歩き続けます。

小さなピークのアップダウンを繰り返し、右手に目指す猪臥山が見えてくると急登の続くカラマツの尾根歩きになります。
左手の樹林の間に白山が見えてくるあたりから尾根に残雪が現れました。

雪の厚みはさほどなく硬く締まっていましたが、今後は雪解けが進み歩きにくくなるかもしれません。
長く感じる尾根登り。猪臥山から続く稜線に乗越すまで続きます。
前方に見覚えのある岩が見えたところで、稜線に乗越すまであとわずかです。

ここからはカラマツの広い稜線歩き。もちろん雪で登山道は見えません。
ポイントは稜線を外れないことです。前方には裸木の間に猪臥山に続く山が見えています。

広い尾根が細くなり、隣のピークとの鞍部に下り登り返すとコース唯一の杉林となります。

林を抜けるとさらに登りが続きますが、今度は笹の斜面となります。これまでとは違い、木々の密度が下がり展望がよくなります。右手には猪臥山の鉄塔と御嶽が見えていました。
雪に隠れた笹の斜面は時折り踏み抜いてしまいます。夏道は右寄りにあるはずなので、なるべく右側を歩くようにしました。時々雪のない夏道が現れるので確認できます。
登り着いたところが、猪臥山の主稜線。

マムシ注意の標識がなつかしい。
稜線にはたっぷりと雪が残っていました。細い稜線の上に残雪が乗っかっていました。びびるほど危険ではありませんが、雪が崩れて落ちないように気をつけます。
ここからは気持ちの良い展望を楽しみながら歩いていきます。

目指す猪臥山のピーク。その下の笹の斜面の向こうに穂高連峰が現れました。
12時37分、猪臥山頂上到着。

白山は雲に隠れていましたが、とにかく360度の大展望。

穂高連峰から続く飛騨山脈。

猪臥山の祠の向こうに見えるのは乗鞍連峰。
飛騨の東西の県境の山々がすべて見えました。
13時、下山開始。
猪臥山トンネルの上をまたぐ稜線はアップダウンがきつく、特に下りは要注意。
頂上直下の駐車場のさらに下から林道がこの急斜面下の鞍部まで延びているので、もし不安ならこちらを歩くこともできます。
鞍部から今度は急斜面の登り。振り返れば猪臥山頂上が。

U字のコースの下山路は登りとは逆方向に歩いていきます。
しばらくカラマツ林の尾根をアップダウンを繰り返し、巨大鉄塔の立つ広場に到着。

雪に埋もれた林道を10分ほど下ると、背の高いガードレールのつなぎ目が彦谷へ下る登山路への入口になっています。林道をそのまま下ると、まったく別の場所へ行ってしまいます。

ガードレールを抜けるといったん小ピークを一つ越えて、その後は下るだけです。
私の前に入山した人が間違えて右手のピークに向かったために、そちらに踏み跡が付いてしまったので釣られて行かないようにご注意。谷の左側に下る登山道があります。
途中でカモシカの新しい足跡が下山路に沿って付いていました。

この山域はカモシカに遭遇したという話をよく聞く場所です。
原生林の雰囲気を楽しみながら尾根を下っていき、やがて展望がなくなり細尾根で写真のような幹が現われたら登山路は左に下って終了です。

尾根から下りたところは廃道の終点。

逆回りの登山路の入山口です。
あとは廃道を10分弱歩いて林道分岐、ゲート脇を抜ければ大規模林道「卯の花街道」。
トンネルの方へ数分歩いて、15時20分に入山口に着きました。
ほぼ5時間で一回りした山歩きでした。
余裕のある山行なら、やはり6時間はかけて歩きたいところです。
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Posted by tozan at 19:28│Comments(0)
│登山レポート