2010年05月03日

残雪の焼岳

ゴールデンウィーク。高山市内は観光客の皆さんで混雑しています。
北アルプスにもたくさんの人が入山していますが、奥穂高岳が現在は非常に危険な状態です。
穂高岳山荘から奥穂高への登山路が凍っており、アイスクライミングの技術が必要だとのことです。温かくなり雪崩れも起きやすくなっていますのでご注意ください。

そんななか、事情により日帰り登山しかできないわたしも、焼岳へ春山日帰り登山に出かけてきました。
◎焼岳<標高2393m(北峰)> 2010年5月1日(土)快晴
中の湯新登山口<10:30発>〜旧登山道分岐<12:00>〜焼岳コル<13:23>〜下山<13:40>〜分岐<14:20>〜登山口<15:25>

安房峠は平湯側がまだゲート閉鎖されており、中の湯登山口へは安房トンネルを抜けて信州側から向かいました。
残雪の焼岳
登山口には主に県外からの車が数台駐車しており(飛騨ナンバー1台、長野・松本は0台でした)、時間から言ってわたしが最後の入山者。
登山口が標高約1500mなので、焼岳までは標高差約900mを登ります。
残雪が多く、登山道で地面の出ている箇所はわずかでした。

まずは樹林帯を登りますが、この日はまだ雪面が硬く、途中でアイゼンを装着。
下りてきた人に上部の状況を聞くと、焼岳の斜面の雪はゆるいとの返事。
気を引き締める。

1時間半で樹林帯を抜け、ブナの疎林に囲まれた広場に到着しました。
残雪の焼岳
無雪期は背の高い笹藪に囲まれていますが、雪におおわれて素晴らしい展望台となっていました。
焼岳を見上げ、大正池を作った崩壊地と無雪期の登山道がある斜面、そして焼岳南峰に向かう尾根を展望します。トレースは崩壊地に沿った斜面をコルに向かって直登していました。
厳冬期から残雪期は雪崩れの心配があるので南峰へ向かう尾根を登り、そのまま南峰から戻るか、南峰直下を北峰間のコルへとトラバースするらしいのですが。ちなみに、南峰への登山道はありません。そのため南峰は立入が禁止され、積雪期にのみ尾根沿いに登ることがルートとしては可能です。コルと南峰間は危険な岩場です。

トレースに従いコルへ直登する場合、ほとんど斜面をトラバースしなくてはならず、足下が崩れたりバランスを崩せば一気に滑落です。
先行する人達はそのトラバース面で苦戦しているようでした。
わたしも短距離となるコルへの直登を選択。しかし先行者のトレースより左のできるだけ崩壊地から離れたコースを行くことにしました。
これで先行者が苦戦しているトラバース面を避けて行けます。

左から伸びる短い支尾根に乗越し、今度はクラスト気味の斜面をゆるやかにトラバース。
その斜面を上から眺めると
残雪の焼岳
休憩できる地点は支尾根に乗越した部分のみ。あとは立ち止まれるくらいで、安全のためには登り続けるしかありません。

2度ほどピッケルを支点に立ち止まっただけで、ほとんど休みなくコルへ到着しました。
コルでは無風だった斜面と違い、飛騨側から冷たい強風が吹きつけていました。
北峰下の岩場を慎重にトラバース。中尾からの登山道の合流点は、北アルプスの大展望が楽しめました。
残雪の焼岳
穂高連峰から槍ケ岳、西釜尾根も見えていました。
残雪の焼岳
西穂高と槍ケ岳をアップで。

残雪の焼岳
眼下には開山間も無い上高地。

残雪の焼岳
南峰と乗鞍岳。霞沢岳も間近に見え、独立峰ならではの大展望でした。
北峰は噴煙たなびき、強い硫黄臭が立ちこめています。
残雪の焼岳

雪が消えて登山道が現われるまで、今回のトラバースが続くルートは気をつける必要があります。南峰へ向かう尾根を行くのが安全面ではやはりいいと感じました。その場合コルへのトラバースは遠慮します・・・。
いずれにしてもアイゼンとピッケルは必要です。
下山にかかった時間が思いの外少なく、所要時間は約5時間でした。休憩が短かったので、参考にはなりませんが。


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〜高山グリーンツアーのご案内〜
初夏を迎える西穂高丸山へ
<入山日:6月28日(月)>
お問い合わせ、お申し込みはtel.0577(33)5500(代)までどうぞ

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この記事へのコメント
西穂高方向の眺めがすばらしいですね。
昨年グリーンツアーで連れて行っていただいた、独標や丸山もまだ雪の中、「あそこまで行ったんだ・・・」との感慨がよみがえりました。
Posted by Kan at 2010年05月04日 08:22
Kanさん、お久し振りです。
今年は北アルプスの残雪が多いとのことです。
独標への稜線の雪は、ようやく暖かくなったこの連休中にゆるんできました。5月末にはすっかり消えるのではないでしょうか。
今年もツアーのご予約が始りました。残念ながら今年は独標へのツアーは見送られましたが、新規のコースも設定いたしました。機会がございましたらぜひまたご参加ください。
Posted by tozan at 2010年05月04日 19:31
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